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中小企業のDX推進、5つのポイント
終わりが見えない円安による仕入れ価格や光熱費、燃料費の高騰が解決されないまま、賃金上昇も求められる現在は、中小企業にとって会社運営の正念場といえるかもしれません。
そんな中、こうした変化に柔軟に対応しつつ危機的時代を乗り切るための事業変革を進めるDX(デジタル・トランスフォーメーション)の重要性が高まっています。
中小企業も例外ではありません。むしろ、大企業よりバッファの小さい中小企業のほうが時代の急変やコストの増大による打撃が大きいため、対策が急がれます。
中小企業庁が毎年、中小企業白書をWebページに掲載しているのをご存じでしょうか。中小企業白書ではDXの実態の調査・分析が行われています。
中小企業白書でDXの必要性を取り上げた項目では、中小企業がDXの取り組みを進展させるための戦略やデジタル人材について、わかりやすく数字で解説しています。中小企業がDXに取り組むメリットも公表されています。
2019年と比較すると、2023年ではDXに取り組む中小企業の数が増えました。DXによるメリットへの理解が進んできたようです。
では早速、中小企業がなぜDXを推進したほうがいいのか、中小企業白書をふまえ、5つのポイントから見ていきましょう。
このブログを執筆しているのは「株式会社HIKE」です!
株式会社HIKE(ハイク)| HIKE.inc は、さまざまな企業様のIT化・デジタル化・DXに寄り添い、共に歩むパートナーです。それぞれの領域に特化したプロフェッショナルが、相談・導入・運用・活用まで親身にサポートいたします。
ポイント1 中小企業はDXを活用して業務を効率化し、負担を軽減できる
日常業務に慣れているため、上層部が意外と気づきにくい問題が「業務効率化による負担軽減」です。
これは「お金をかけて社員をラクにする」のではなく、「業務のムダをなくして社員の負担を軽減し、浮いたリソースを有効活用する」という方法です。
実は、DXによって業務効率化を行い、負担を軽減したいという要求は社内から出てくるものが圧倒的で、社員が日常的にムダな動きをなくしたいと考えているということになります。
例えば、社員から広く意見を集める必要がある場合、総務の一番若い社員に役目が回ってくることが多いでしょう。
役目を与えられた社員はアンケートを作成し、社員全員分のコピーを取り、配布し、期日までに回収して内容を集約するという作業を行います。さらに会議提出用の書類を作成するまでに、どれほどの手間と時間がかかるでしょうか。
こうした面倒で時間と手間のかかる作業が、社員それぞれのPCやスマホで、わずか数回の操作で完了するとしたらどうでしょう。業務はラクになり、ムダな残業が発生しなくなるはずです。担当する社員の残業とストレスも大幅に軽減させることができます。
ポイント2 中小企業はDXでコストを削減できる
取引先への商品説明などの文章を書く場合、文章が苦手な社員は困っているのではないでしょうか。広報に関わるものは外注に出すことも多いでしょう。
生成AIは指示を出すことで必要な長さの文章を瞬時に作成してくれます。あとは見直して細かい修正を加えるだけです。文章作成に悩む必要がなくなり、外注に出さなくてもよくなるため、結果としてコストの削減につながります。
また、紙の書類や紙でのやりとりをなくすだけでも経費削減になります。
社内文書の紙での配布だけでなく、紙の請求書発行にかかる費用は、用紙代、コピーのトナーやリース代、封筒および封筒の印刷代、郵送費、機密書類の処理費用など、多額に上る可能性があります。書類をデジタル化するだけで、これらが大きく削減できます。
ポイント3 中小企業はDXで業務プロセスを改善できる
帳簿や見積書、請求書などが全て紙であった場合、情報の共有は困難です。書類がデジタルで共有されていると、提案書の構成やデザイン、顧客への見積もり内容などを営業部全体で確認し、コピーして使うことも可能です。この情報共有のメリットは計り知れません。
また、稟議書の進行スピードを速めることも可能です。勤怠管理も届出をデジタルにするだけで、出す方も受ける方も簡単になり、記入漏れや見落としなどのミスも減ります。
デジタル化により処理スピードが向上するだけでなく、人為的なミスも大幅に減少し、業務プロセスが目に見えて改善されます。
さらに、広報の効率化として、ホームページやSNSの活用が有効です。適切に運用すれば、顧客への情報提供や魅力的な商品・サービスのアピールにつながります。
ポイント4 中小企業はDXで人手不足を解消できる
対面営業ではスキルやノウハウの個人差が大きい傾向があります。営業の属人化という問題は多くの企業で共通の課題かもしれません。
ナレッジマネジメントを導入して情報を共有化することで、スーパー営業担当者の力に頼らず、営業力の底上げを図ることが可能です。さらに、企業活動全体を統合する基幹システムを導入すれば、売上、請求・入金処理、顧客データ、工場生産計画といったあらゆる情報を一元管理できます。
基幹システムに売上データや生産数を見直す機能を組み込むことで、人為的なミスを防ぐだけでなく、業務フローを効率化できます。その結果、残業時間の減少や有給休暇取得率の向上が見込まれるため、職場環境が改善されていきます。
また、コロナのパンデミックをきっかけに、リモートワークが普及しました。これにより、多様な働き方が可能になり、社員の離職防止や雇用の幅の拡大が期待できます。たとえば、リモートワークを活用すれば、家族の看護や介護をしながら働くことも可能です。
DXは、働きやすい環境を整備しつつ、コストを削減し、優秀な人材を確保する道を開くのです。
ポイント5 中小企業はDXでデータに基づく意思決定ができるようになる
重要な案件の意思決定が、経営者や担当者の経験や勘だけに頼っていないでしょうか。
DXを活用して販売データを蓄積・分析すれば、科学的根拠に基づく意思決定が可能になります。これにより、経験豊富なベテラン社員の直感や経験だけに依存せず、データを活用した意思決定の手法を確立できます。
さらに、DXはビジネスモデルの見直しや顧客接点の強化にも貢献します。たとえば、ある印刷会社では、数百種類のデザインをテンプレート化してWebサイトで簡単に注文できる仕組みを構築し、通販事業を開始しました。これにより、営業活動を効率化しつつ、顧客満足度を向上させました。
また、電話だけに頼らず、メールやチャット、チャットボットなどを活用することで、顧客の利便性を高めることができます。これにより、新規顧客の獲得や既存顧客のニーズ把握がスムーズになります。
まとめ
ここまで、中小企業がDXを推進したほうがよい理由を5つのポイントに分けて解説しました。
フットワークが軽く、意思決定が速い中小企業の強みを生かせるものばかりだったのではないでしょうか。ただし、導入に対する不安や、導入後の運用に関する悩み、適切なITツールの選定に迷う場合もあるでしょう。また、社内にIT担当者がいない企業も少なくありません。
そのようなときに頼りになるのが、中小企業のDX対応を専門とするITツール導入支援企業です。これらの企業は、中小企業の課題を理解し、解決策をともに考え、運用に慣れるまでサポートし、その後も相談相手として伴走してくれます。
たとえば、株式会社HIKEでは、GAS(Google Apps Script)を活用して一括メール送信を自動化し、作業の効率化とヒューマンエラーの防止を実現した事例があります。詳しい内容については、以下のリンクからご覧いただけます。
https://www.hike-inc.com/case/work-efficiency-using-google-environment-google-apps-script-2/
参考文献
- 中小企業庁 2024年版「中小企業白書」
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2024/chusho/index.html
執筆者
【公式】株式会社HIKE(ハイク) | HIKE.inc | IT化・デジタル化の強力なサポーター
株式会社HIKE(ハイク)| HIKE.inc です。さまざまな企業様のIT化・デジタル化・DXに寄り添い、共に歩むパートナーです。それぞれの領域に特化したプロフェッショナルが、相談・導入・運用・活用まで親身にサポートいたします。
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